幻色灯日記掌編:末子相続 父が私たち兄弟に残した言葉がある。嘘つきで気分屋で暴力を振るう最低親父だったが、こうして燭台の蝋燭に照らされた肌は青白く、獅子の咆哮かと思わせた声も細く細切れで。吐く息、吸う息の間に何度も咳をしては骨の筋が見える胸を何度もたたく。ああ、そう... 2024.04.09幻色灯日記未分類
幻色灯日記掌編:天にも届く塔にて拾ったモノ 塔で女の子を拾った。ボロを着て……いや、その砂で汚れた体に巻き付けて。眼はブラウン。ただ、その目のハイライトは消えている。洗い、髪をまとめ、軽く化粧をすれば、もっと映えるだろう。いや、俺の主観ではなく、こいつを見るほぼ全員がだ。そう。それだ... 2024.04.08幻色灯日記未分類
幻色灯日記掌編:とある練り物工場 練り物工場がある。ちなみにこのかまぼこ屋の創業は寛永2年。実に歴史ある老舗だ。そして、そこまで続く歴史の秘密。パートのおばちゃんが、バイトの俺にこっそり教えてくれた。「ここの竹輪はかまぼこ、そしてさつま揚げには『人魚の肉』を使うとるんよ」「... 2024.04.07幻色灯日記未分類
幻色灯日記掌編:風変わりの家庭教師 俺がその仕事にありついたのは、お袋の一言だった。「圭ちゃん。加藤さんの子供たちの勉強を見てあげる気はない?」うん。ピンと来たね。家庭教師の誘いだ。なぜすぐにそこに思いついたかって?なぁに、俺が二社ほど掛け持ちで家庭教師のバイトをしていたから... 2024.04.07幻色灯日記未分類