「ツクラーあるある」は全てのゲーム製作者に捧げられたサウンドノベルです。
「ツクラーあるある」は一言で言うと、あるあるネタです。まず、大長編を作りたがるものです。そして、素材を集めて満足……良くわかります。それにしても製作ブログに訪問者15人は優遇されすぎだと思います。実際もっと少ないです。そしてその先は……どうしてシヴィライゼーションやスカイリムなどあるのでしょうか。その上ドラクエの新作などとんでもない話です。時間泥棒にも程があります。
以下、長文失礼します。
初志貫徹にはモチベーションが大事です。
大長編を製作中の筆者が言うのもなんですが、実体験を踏まえた私どもの手法を少し書こうかと思います。まず、休日や休むことを「ダメだ」と認識されているようですが、そこは大きな罠です。筆者も共同作業者からたびたびストップがかかるのですが、根をつめすぎるのは危険な兆候です。休日や休憩は「計画的に」とりましょう。さもないと身を壊します。自分が何を見せたいのか、何を訴えたいのか。ここに絞ります。しいて言えばテーマです。どうせ後からアレも入れようこれも入れようと構想は膨らみます。商業と違って納期は延びるものなのです。ですが、自分が決めた納期(公開期日)を守ろうとする姿勢は大事です。そのためには取捨選択が必要です。演出を落とすか、シナリオをばっさりと切り、構想を圧縮していきます。自分の目的をどこに置き、それに向かってどのような規模、内容の作品にするのかを作品を作るにあたり、前もってしっかりと考えておくことが大事です。最初は短編から始めましょう。次第に作業に慣れてゆきます。
素材集めですが、フリー素材を漁るか外注しましょう。己の検索技術に頼るか、自作するか、魔法のカードに頼るのです。スプリクトエンジンは何を使用するのか(本作ではRPGツクールですが)、シナリオ、動画、BGM、SE、立ち絵、スチル絵はどうするのか。全て自作できる超人はまれです。そして、自作するにしてもハイスペックのマシンとそれなりのアプリケーションが必要になります。用は先立つもの(マネー、先行投資)がかかるのです。いずれにせよ、自分が凡人であることを自覚しましょう。
さて、製作に取り掛かる前に製作計画、プランをしっかり立てましょう。いついつまでシナリオを書く、グラフィックを作る、などの類のものです。ある程度工期を切ってしまえば、(慣れてくると)現在のスピードならば期日までに終わる終わらないが分かってきます。ぇ? 慣れてない? では慣れるまでは地獄を見ましょう。
期日の変化が見られたら、共同作業者に相談しましょう。(居ればの話です)。個人製作は孤独な作業です。ツイッターで呟こうと、ブログに何を書こうと、砂漠で宝石を捜すのと同じで「何一つ反応は無い」のが普通です。山の頂上で何かしら叫べば山彦が返ってきますが、ブログやツイッターでは反応は(普通は)ありません。皆無です。悲しい現実ですがこれが当たり前以前の常識なのです。そしてこれは悲しいことに、作品完成公開後の反応にも同じことが言えます。
ですから可能であれば、共同作業者を見つけることをお勧めします。仲の良い友達を誘いましょう。ただ、あまり誘いすぎると今度は「感性のズレ」から喧嘩、仲違いの元となります。諸刃の剣ですがそれでも個人製作よりはお勧めです。「打てば響く」と申します。共同作業者が居れば、最低限の話し相手と自分の作業進捗に対する反応(それが否定的なものであっても)返ってきます。孤独な作業よりも遥かにマシです。悲しいかな、電子の海の中の作業でもコミュニケーション能力、ネゴシエーション能力は大事なのです。
筆者はシナリオを担当しているのでシナリオについて書きます。まず、インプット作業としてゲームを何本かやります。ラノベを纏め買いして一気に読みます。時々ハウツー本も読みます。そして初めてスチル絵の生える見せ場のシーンを考えます。クライマックスを考えます。ラブコメですからイチャラブのシーンを考えます。その他、気になることがあればそのたびにメモ書きしておきます。後は実際の執筆です。舞台の台本に近い形での執筆となります。ゲームシナリオは決して小説ではありません。筆者は小説も書きますが、小説とゲームシナリオは明確に違います。まぁ、始めはとにかく書いて書いて書きまくります。ルート分岐があるならば、全ルート全て書きまくります。そして、しばらく寝かせます。次は校正です。執筆ではシーンをつなぎ合わせているはずです。注意点としてはルート分岐があります。ここでは各ルートがほぼ同じ分量となるようにテキスト量を考えつつテキスト分量を調整しなくてはなりません。読者様が全員、筆者のお気に入りのキャラに萌えてくれるとは限らないからです。攻略対象キャラ間差別をしてはなりません。筆者が気に入らないキャラに人気が出る、これは充分にありえます。実作業ではシーンを削ったり増やしたりして作品のテキスト量を加減してゆきます。せっかく書いたのだからともったいぶり、不要なテキストをシナリオに残すのはやめましょう。作品全体のクオリティを落とすことにつながります。何度も読み返し、用語と呼称の齟齬が無いか、誤字脱字が無いかチェックします。他にも重要な作業はありますが、大体これを繰り返してシナリオは完成です。
また、筆者は音楽を一部のみ担当しましたので音楽についても少し書きます。これもシナリオと同じくインプットからです。どんな物語を作りたいのかに合わせてアーティストを選びYoutubeでも何でも良いので曲を聴きます。また、作曲についてのハウツー本、片手にギターもしくはキーボードは必須です。思いついたらコード進行を考えます。コード進行からおたまじゃくしを弄ってメロディを作っていきましょう。筆者はAbilityを使っていますので、ピアノロールではなくおたまじゃくしを弄ります。ドラムをつけて低音部から作っていきます。8小節ほど出来たら聞いてみて気に入れば採用、気に入らなければポイして捨てます。これを繰り返し、必要な長さのループ音源を作ります。筆者の担当分は所詮オマケ部分とはいえ、手は抜けません。一部でも手を抜くと言うことは作品全体のクオリティ低下に直結するからです。
シナリオや音楽、CGなど製作作業が進捗するに従って中間製品(ゲームの部品)が完成していくはずです。これを共同制作者に見せ、感想を貰えるか貰えないかはかなり自分のモチベーションの上下に直結します。その点からも孤独な作業よりも共同制作をお勧めしたいと思います。
以上、長々と取り止めと無く語ってきましたが何が言いたいのかと言うと、「初志貫徹にはモチベーションが大事」と言うことです。
「ツクラーあるある」、いろいろと考えさせられるお話でした。作者様、大変ご苦労様でした。
「ツクラーあるある」のプレイにはここからダウンロードできるRPGツクール2000 RTPのインストールが必要です。
容量
5,122 KByte
制作ツール
RPGツクール2000
製作者
08
公開日
2016-06-25
URL
http://www.freem.ne.jp/win/game/12120
本作品「ツクラーあるある」は約5分程の作品です。
投稿者プロフィール
- 雑食です。
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