「キズナ行進曲」は「絆」をテーマにした現代サウンドノベルです。ちなみに冒頭に流れている行進曲はラデツキー行進曲です。「イタリアでの勇敢な軍隊の名誉と、負傷した兵士への支援のために」という思いの込められた曲です。そう思うと、主人公は傷ついた現在の負傷兵といえるのではないでしょうか。
「キズナ行進曲」は一言で言うと、「痛い」お話です。お話にはどうしようもない毒が含まれています(血やグロの表現はありません)。引き込まれる文章、そして構成力。文学としてはなかなかのレベルかと思われます。
「キズナ行進曲」の感想としましては「辛くて空しいよね」です。かといって、主人公の決して豊かとは言えない境遇と心理状態。もうどうしようもありません。傷が癒えるには長い時間が必要だと思われます。オレはやるだけの事はやった(やってきたつもりで絶望しまくってこれ以上やれない、立てない歩けないんだ)のに、皆が理解してくれない。過去の穏やかな時間、充足感、最後の楽園、今まさにそれが失われようとしている焦燥感と諦め。……コレです。まさに現代の病理かと思います。
容量
76,259 KByte
制作ツール
NScripter Ver3.03
製作者
ころん
公開日
2016-07-02
URL
http://www.freem.ne.jp/win/game/12186
https://twitter.com/bokunina
この「キズナ行進曲」は、約60分ほどの作品です。
投稿者プロフィール
- 雑食です。
最新の投稿
- フリーゲームレビュー2023年5月31日レビュー:「先客」
- フリーゲームレビュー2023年5月30日レビュー:「自業自得」
- フリーゲームレビュー2023年5月25日レビュー:「君と話したい」
- フリーゲームレビュー2023年5月24日レビュー:「五つの宝玉と夢見る島」
コメント