以下、丸戸信者がお送りしますので覚悟の上で読み進めて下さい。
皆さんすでにご存知かと思いますが問答無用のラブコメです。この作品、初期の頃は小説としてつたない出来である気がします(かなり辛目の意見です)。脚本を読まされている感じがするのです。だが作者の元々の実力なのか、巻を進めるごとに小説としての読み応えが上がって来ます。作家としての成長をも感じさせられるそんな作品です。
しかしながらこの点についてですが、丸戸さんは作品のクオリティよりも締め切りが最重要と言っておられた気がしますので、その辺りの絡みがあったのかもしれません。
この作品は現代、現実舞台が舞台です。ファンタジー要素はありません。いえ、ファンタジー要素など必要ないでしょう。ハーレム展開そのものがすでにファンタジーなのですから。逆に僅かでも異能力ファンタジー要素がなければ成り立たないような作品しか感動を生めないというのも問題があると思います。
過去を強く引きずる重い女、霞ヶ丘詩羽。幼馴染で金髪ハーフの澤村スペンサー英梨々。同じく強幼馴染属性で従姉妹の氷堂美智留。後は影の薄いメインヒロイン加藤恵。第一部ではこの4人とガチオタクな主人公が主なメインキャストです。キャラ的に濃いのが詩羽と英梨々です。やや薄く、距離を取って余裕を見せているのが美智留。そして最も影が薄いどころか存在そのものが希薄で空気以下なメインヒロインの恵です。ああ、主人公が一番キャラ濃いです。
丸戸作品の傾向から過去を引きずる女が強いのは当たり前としても、恵以外の全員が過去を主人公と共有しています。……やるな丸戸。そんな中、途中から主人公争奪戦に参戦する加藤恵が奮闘……しません。これでもかというほどまったく奮闘しません。ただ、メインヒロインらしくただ可愛い。恵に我がないわけではありません。むしろ、読み進めてみるとその健気さから一番業が深い気もします。なにせチョロインですし。
丸戸作品、結構チョロインが多いのですが、チョロインはその分最終的な攻略がとても難しかったような気がします。きっと恵の場合もそうなのでしょう。しかしながらこれも過去の作品の傾向からの推測なのですが、おそらく作者様が一番思い入れがあるのは詩羽なのでしょう。ですがいつものパターンでやはり恵が最終的に勝ちますよね?
丸戸さんはSF作家星新一さんのショートショートを読み漁っていた時期があるとかで、そのためなのか一エピソード、一区切りごとに必ず落ちがついています。連続するその相乗効果が良いテンポ感を生んでいるのだと思われます。是非マネをしたいところです。
この作品、もうすぐ10巻が出ます。非常に楽しみです。
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