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『火の鳥』を観て。

幻色灯日記

火の鳥 手塚治虫 を観て

アマプラにあったので、今更ながらに視聴。

アニメ版の視聴です。

大昔、学校の図書館で漫画本読んだ記憶はあれど、果たして全部読破していたのかどうか。

もう、忘れに忘れた話の筋と世界観。

で、先日このタイトルを見つけ、時間もないのにやっと全編視聴しました。

結論から言えば、『実に素晴らしい』などと通り一遍の感想ではなく。

『どうして俺君はあれこれ今日の事や明日の事、そして未来のことでネチネチウジウジ悩んでいたのだろう』

と、心が洗われました。

『どうして諦めていたのだろう、どうしてそう思っていた、思わされていたのだろう』

と。

『自分はちっぽけで、本当に情けなく、生きている意味など無いではないか……』

と、心の底では思い続けて気付付けなくて済んでいた心を、心臓を、自らナイフで刺すようなことを繰り返してきたのか。

『HERO』の曲ではありませんが、『心の傷口にナイフ立てて』と表現されるような、意味のない自傷行為を続けていたのかと。

正に、バカかとアホかと。

涙を流して感動すらしませんでしたが、そのメッセージ性、確かに受け取ったような気がします。

そう、この作品は泣くような作品ではありません。

でも。

 

例えば大切なものを得られなかったからと言って、よそ様は持っているのに、などと言った怨念に近い雑念。そしてなぜ自分たちは恵まれていないのだろう、この世の生き難さよ、が頭に常によぎっていた毎日の事。

そんなものが実にちっぽけで『どうしようもなく、悩みが尽きることはなく、その思いにしがみつくがぎり、新しい未来や、先への夢や、希望を持つこと』の、邪魔にしかならない思念であったと、今なら言えます。

全ての事が、思い悩んできたすべてのこと、そして自分が創作してきたいろいろな作品が、もう本当に薄っぺらく、作品とも言えぬ駄文であったと……たとえ『エンタメ性を考えて、それしか追わず、深めのテーマを扱ってなかった』と、自分の心に言い訳することはできても。

ええ、この作品を視聴して目が覚めました。

別に、『エンタメ最上』でいいと思うのです。

ただ、作品を作っていくうえで自分を卑下することはなく、目標とする夢に向かって希望を絶やさず、認められずとも日々正しい方向を探りながら、どんなにバカにされようと、振り回されることなく胸を張って生きていくこと。

その大切さを知りました。

偉大な先人を改めて知りました。

ありがとうございます。

感謝を。

 

火の鳥 全14巻セット (角川文庫)
手塚 治虫(著)
5つ星のうち4.4
¥13,552

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