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掌編:風変わりの家庭教師

幻色灯日記

俺がその仕事にありついたのは、お袋の一言だった。

「圭ちゃん。加藤さんの子供たちの勉強を見てあげる気はない?」

うん。
ピンと来たね。
家庭教師の誘いだ。

なぜすぐにそこに思いついたかって?
なぁに、俺が二社ほど掛け持ちで家庭教師のバイトをしていたからさ。
俺はとっさに自分のスケジュールを確認すると、二つ返事でお袋に返事を返した。

「ええと、倍額貰って、教材費は相手持ちで」

うん、そんな条件を出すも、無理かなと思っていたが、お袋はあっさりと省略する。

俺の気分は爆上がり。

そうとも。

例えあの、お袋相手といえど、幾らと吹っ掛けてこそ、自分を高く売ってこその商売なのだから。

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