こんにちは。
読み返す、見返すと味が違って感じられるかもしれないと思う作品。逆に言えば、今までのオーバーロードの読み方では楽しめない作品になっていると思いました。
トカゲ回と同じように視点が脇道に逸れた回となっています。視点の多くががナザリック陣営の人物ではないのです。
それはこの巻がアインズ様その一党が跳梁跋扈する話ではなく、サブタイトルにあるように「聖王国の聖騎士(見習い)の冴えないスカウト風の女の子、ネイアの成長物語」として書かれているからです。
なので初見では今までの流れとのギャップ、視点の違いに戸惑いを読者に与えてしまうことでしょう。これははっきり言って今までの勢いを殺す結果になっていますので、かなり損をしていると感じます。
そのままナザリック一党視点の勢いで書いてもよかっのだろうとも思えますが、作者様には作者様なりの判断があったのでしょう。
ネイアを主役に据えると言う物語の思想はこの巻全体に渡って貫かれていて、まず初めに彼女の父の口から語られる家族背景と新たな舞台である聖王国の内情があります。
あくまでネイアとその母国である聖王国の事情です。
ですから、ここでデミさんがやって来て俺TUEEEEEしますけれども、それはあくまでオマケとして見たがいいのかもしれないと思いました。
本巻から舞台が今までの三国からズレているのでこういった仕掛けがしてあるのだろうと推測します。
冒険してますよね。作者さん。
また中盤。ネイア視点とするために、物語の筋で様々な「ちょっと無理なご都合主義的展開」が連続して用意されていますがこれは仕方のない事かと。
だって、そうしないと彼女の出番が無いのですから。少しでも彼女を本筋に近づかせるため、彼女に対する読者の愛着や視点効果を得るためのものかと思います。
とはいえ、作者と読者の化かし合いと申しましょうか。
アインズ様もデミさんのカンペ読みながら動いているとネタバレを書いてあるのでこれはこれで良いのかもです。
アインズ様とその一党は今回脇役も脇役、ほとんど出てきません。
この巻の主人公はネイアです。
だってどう読んでもネイアの成長物語、あるいは視点変化の物語としか読めないのですから。
その他の人物はオマケだと割り切って読みましょう。
なので現状アインズ様の覚えがめでたくないネイアが無慈悲なナザリック一党に(物理的に)磨り潰されないように心から祈りつつ、下巻の刊行を待つのが良いのだろうと思えるのです。
ネイア。
彼女の感性は私たちの世界の住人からすると、大きく死生感がずれていると感じます。
こういった「異世界」の表現方法もあるのだなと感心する次第です。
以上、私的感想でした。
もう一回くらい読み返して見ようかな。
KADOKAWA (2017-09-30)
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