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Fate/stay night [Heaven’s Feel] III.spring song感想

眼鏡 幻色灯日記
眼鏡

幻色灯日記

と言う訳で、本日朝一の回で視てきました。
平日ともあって、観客は10名程度。若い人が多かった印象が。
まあ、同じくらいの世代は仕事してるだろうし……。

控えめに言って良い出来。
Fate本編の締めになるHeaven’s Feel(以下HF)を良くもI~IIIで6時間程度で綺麗に纏めたと思います。
スタップ&キャストに最大限の賛辞を。

たぶん他の人が既に書いている思うので、映像美や結末については割愛。

何故、Fate世界がこんなにも(商業的に)成功しているのか。それについて書いてみたいと思います。

無限に物語を生み出す聖杯システム

2005年当時、Fate/stay night(以下SN)が発売された後、テキストの量に圧倒されました。
恐らく、KB換算で2~3MBに至ろうかという圧倒的な物量。
(原稿用紙換算すると約7500枚程度)

次にスクリプトの出来。一枚絵とテキストだけで魅せられるものだと感動を覚えました。

しかし何より――15年経っても新規顧客を集め、初期からのファンも放さない点は、無限に物語を生み出す事が出来る聖杯システムによる物が大きいと考えます。

もし召喚された英霊がSN本編とは別の英霊であったならば?
あるいは、別の人間がマスターに選ばれていれば?

こう言った想像を刺激する材料に事欠かないのがSNです。

たぶん、作者であるところの奈須きのこ氏はインタビュー記事などから推察すると。

筆者である私と同じ様に、
・小学校高学年でファミコン(ないしは8bitパソコン)に触れ
・同時期ないしは中学生くらいでゲームブックやTRPGにはまり
・高校生~大学生でTRPGを遊び倒し、またPC98のゲームなどに触れ
・大学卒業後には仕事をしながら、インターネット黎明期にネットにはまったり、PCでゲームが作れると楽しんだ
ものと思われます(勿論、ずっと通して物語を創っていたでしょう)。

だって学年度的に同期に近いのですから、体験して来た事は――地方と都市の差はあれ、ほぼ同じでしょう。

さて、話は変わって「物語を無限に生み出すシステム」としてのメディアミックスの話に移りましょう。

TRPGとロードス島戦記

1986年から1989年に渡って「コンプティーク」誌で連載されていた、「ロードス島戦記 リプレイ」をご存じでしょうか。
ダンジョンズ&ドラゴンズ(以下D&D)で実際に遊んだ内容を脚色して物語仕立てにしたものです。

人気を博し、1990年にはOVA(オリジナル・ビデオ・アニメ)となりました。
角川書店(当時、現KADOKAWA)が始めたサブカル領域でのメディアミックスの走りです。

角川書店はその前から、実写映画とタイアップした文芸作品をプッシュすると言う戦略を取っていました。
その流れから生まれたのでしょうが、ただ一点既存の物と違うのは「同じ作品を別の観点から再構築する」と言う事を複数行ったことです。

ロードス島戦記は、小説・アニメ・マンガ・ゲーム等、実写以外のほぼ全てに渡って展開されました。
一つの作品から無数の派生作品を創り上げる、これが商業で行われたほぼ最初の例と言えます。
(もし筆者が知らない事例がありましたらご教授ください)

TRPGと言う、「ユーザーが想像しうる限り、幾つもの物語を生み出せる」システムとマッチしたのでしょう。
今なお、「ロードス島戦記」は金字塔と言うべき作品であります。

Fateの話に戻りますと、恐らく奈須氏はTRPGでGM(ゲームマスター:ゲームの進行役)を長く・多く務めたのでしょう。
そこで物語る力を磨いたものであると確信します。

狙ったのかあるいは偶然かは分かりませんが、Fate世界における聖杯システムが、正に「物語を無限に生み出すシステム」そのものであります。

無限に「有り得た可能性」を選んで、幾らでも派生作品が生み出せるのですから。
KADOKAWAが拾い上げたのも自然の流れだったのでしょう。

今や幾つもの派生作品が溢れ、我々を楽しませています。
たぶん、筆者が死ぬまで(趣味に対する情熱を失わなければ)Fate世界は楽しませてくれそうです。
あと20年生きられるか分かりませんが。

しかし、何かしら語りたくなる作品と言うのは楽しいですね。
久々に長文をしたためましたが、この辺で筆を置きたいと思います。

本日は以上!

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投稿者プロフィール

ビリーT
ビリーT
サークル幻色灯代表にして雑用係。
専門はプログラミング。趣味はTRPGとPCゲーム全般。
読書は手当たり次第に読むタイプ。本棚がカオス。

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